フォローアップ研修が生み出す効果とは|目的から考える最適な内容
自社でのフォローアップ研修をおこなわれているでしょうか。
フォローアップ研修は、新入社員研修とセットでおこなわれることが多いのですが、本来は全ての研修においてフォローアップ研修の実施には様々なメリットがあります。
そこで今回は、最も行われる頻度の多い「新入社員対象」のフォローアップ研修を例にとり、研修開催の目的や適切な開催時期、フォローアップ研修を実際に行う上でのポイントを紹介していきます。
目次
1.フォローアップ研修とは
フォローアップ研修とは、一度研修が終了してから期間を空けて再び実施される研修のことです。「フォロー研修」と呼ばれることもあります。
フォローアップ研修をおこなうことで、一度研修で学んだことが実務で生かされているかを確認し、課題や改善点なども見つけることができるので、PDCAサイクルを効率的に回す経験にもなります。
フォローアップ研修は各立場によって実施目的も異なります。
例えば、入社したばかりの人材に対してのフォロー研修は、育成の面に加えて、業務知識の定着、そして組織への定着という「オンボーディング」の面が大きな目的となります。
中堅社員や管理職以上の研修になると、部下を育てるためのリーダーシップ力やマネジメントスキルの向上を図る研修が多いです。このようなスキルは、定着度を見極めることは1度の研修では難しいことから、フォロー研修とセットの必要性は実は高いと言われています。
このように、フォローアップ研修は「どの立場の人材に対しても実施効果を持つ研修」でもあるのです。
2.フォローアップ研修の実施時期
フォローアップ研修の実施時期は研修が終了してから「3ヶ月後」「6ヶ月後」「1年後」の3パターンに分類されることが多いです。
新入社員が対象の場合、実施時期によってフォローアップ研修の目的にも変化が見られます。
★「3ヶ月後」に実施する場合は、研修の復習や業務をおこなってみて、不安点を改善することが中心になります。
★「6ヶ月後」に実施する場合には、会社や業務にも慣れてくるので、実践スキルの振り返りをふまえつつ、主にモチベーションの向上が中心です。
★「1年後」に実施する場合には、1年の振り返りに加え、新たに入社してくる後輩への接し方、今後のキャリアプランの設定など、先を見据えた内容が中心となります。
社員の状況を把握した上でベストな実施時期を選びましょう。
3.新入社員が抱える、フォロー研修時点での課題
フォローアップ研修を開催する上で、新入社員が抱えている課題についても紹介します。
HR総研がおこなった人材育成「新入社員研修」に関するアンケート調査によると、
1番多かった課題が「モチベーションの維持」。その他「配属先での悩み」や「早期戦力化」などについて課題だと感じている新入社員が多いことが判明しました。
また、当アンケートによると、新入社員のフォローアップ研修の実施時期は「半年後」におこなうという回答が最も多い結果となっています。入社半年後の業務に慣れてくる時期に、モチベーションが低下してしまう新入社員が増えてしまうことは企業共通の課題としてもあげられます。
また、配属先での人間関係や職場環境が合わずに悩んでいるという人も多く、早期離職の原因にもなりかねません。離職率の低下を防ぐためにも、配属先を決定する人事は、一人一人の適性を見極めた上での決定が求められます。
そこでフォロー研修の実施時点でミスマッチの傾向を見極め、早急な対策を検討することも可能となるのです。
4.新入社員のフォローアップ研修のプログラム例
実際に新入社員のフォローアップ研修を開催する時のプログラム例を紹介します。
新入社員研修の復習
新入社員研修の学びの復習を行いましょう。
新入社員研修では、ビジネスマナーや正しい言葉遣い、身だしなみなどの研修をおこなう企業が多いです。研修で学んだことが仕事中でも活かされているのかを確認し、現場での実践スキルや役割を改めて認識することが重要です。
自分自身を振り返る
入社してから現在に至るまでの過程を振り返りを行いましょう。
新入社員研修で目標設定シートなどをあらかじめ記入しているのであれば、活用しながら振り返ると、新たな気づきや改善点を発見することができます。
プレゼンテーション
自分自身の振り返りを、参加者の前でプレゼンテーションしましょう。
プレゼンテーションをすることで他の人の悩みや課題に共感できたり、プレゼン能力が身につく他、同じ参加者の振り返りを聞くことで、自分自身が持っていなかった考えにも気づくことができます。
ディスカッション
少人数のグループを作り、ディスカッションを行いましょう。
ディスカッションの内容は、新入社員が抱えている現状の課題などがテーマだと活発的に意見を交わすことができます。
また、ディスカッションをおこなうことは、自分の意見だけではなく、他人の意見も聞き入れるという、多方面から物事を判断する力も身につくのです。
今後のキャリアプラン形成
今後自分がどういう風になりたいのか、キャリアプランを作成しましょう。
キャリアプランを形成することで、明確な目標が設定され、モチベーションの向上にも繋がります。ここではなるべく具体的に作成することが重要です。
5.フォローアップ研修を実施するときのポイント
フォローアップ研修を実施する時のポイントを4つ紹介します。
研修の目的や目標、課題を共有する
フォローアップ研修では、研修の目的や課題を、事前に参加者へ共有しましょう。
共有することで、受講者同士が「何のための研修であるか」を再認識し、有意義な研修をおこなうことができるからです。
話しやすい環境づくり
話しやすい環境づくりを意識しましょう。
フォローアップ研修では、同じ立場同士で話し合うことによって、共通の悩みや問題を解決することが大きな目的の1つです。
直属の上司が同席していたりすると、話しづらくなってしまい、フォローアップ研修の意味が薄れてしまう場合もあるので、研修担当者は受講者の気遣いを忘れないようにしましょう。
目標シートの作成
目標シートを作成してPDCAサイクルを心がけましょう。
新入社員対象のフォローアップ研修を例にとると、ここでのPDCAサイクルは以下にあたります。
Plan:「新入社員研修」で今後の目標を立て、
Do:実際に業務を行い、
Check:その振り返りをします。
Action:振り返りを基に、課題についての今後の改善策を練ります
フォローアップ研修のメインは上記の「Check」と「Action」となるので、初めの新入社員研修時のPlanとDoにあたる、目標作成ができていなければ、PDCAサイクルは成り立ちません。
そのため、新入社員研修時から目標シートを作成しておき、フォローアップ研修で振り返ることができるようにしておきましょう。
参加者同士でフィードバックする
参加者同士で研修内容をフィードバックしましょう。お互いにフィードバックすることで、客観的なアイディアが生まれたりします。
課題の抽出が捗り、問題の解決に繋がることもあるので、フォロー研修においては、フィードバックの時間を必ず設けましょう。
6.研修運営の委託による「研修強化」も視野に
今回は、フォローアップ研修の目的や適切な開催時期、フォローアップ研修を実施する上でのポイントについて紹介しました。
フォローアップ研修は、全従業員が対象となる研修なので、それぞれに合った研修内容を考える必要があります。しかし、普段の業務が忙しくて研修内容の構成や資料の作成までに時間を割けないという研修担当者も少なくありません。
そんな時には、「アウトソーシングサービス」を活用しましょう。
アウトソーシングを活用することで、研修の準備や運営までの業務を全て一任することができます。そのため、研修担当者は研修内容の強化などに時間を割くことが可能になるのです。
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今回の記事を参考に、フォローアップ研修を含め、研修により一層力を入れていきたい場合には、アウトソーシングの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
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参考資料:
JMAM|新入社員フォローアップ研修の重要性|目的や実施時期、プログラム例も解説
HR Pro|HR総研:人材育成「新入社員研修」に関するアンケート調査 結果報告