企業が抱える会議室についての課題とその対策とは?
「会議をしたいのに、会議室が空いていない」
「予約されているはずの会議室が使われていない」
多くの企業が、このような会議室の課題に頭を悩ませています。
会社で最も大事な業務の1つが会議です。そのため、会議室が必要になるわけですが、上記で例に挙げたケースに加えて、予約の重複や、急な来客に応対するスペース不足など、会議室についての課題はいくらでも出てきます。
この記事では、企業が抱える会議室についての課題とその対策について紹介します。会議は会社の中心業務です。会議室を効率的に運用することは、会社の業績に大きくかかわるといっても過言ではないため、ぜひ参考にしてください。
目次
1.会議室について課題が多く存在する
会社における会議室の用途は様々です。
企画会議や説明会、社内研修、さらには来客対応や社外プレゼンまで、会議室を利用する機会は大変多く、会社によっては予約の取り合いになります。
このため、いかに会議室を予約しやすい環境を整えるかが重要になってきます。
しかし、多くの会社が会議室の効率的な運用に課題を抱えているのが現状です。
1-1.予約や調整に時間がかかる
予約管理の環境が整っていない場合、会議室を予約して実際に使用するまでのフローに多くの手間と時間がかかってしまいます。
会議室の予約において発生しがちな問題には下記のようなものが挙げられます。
「予約されているのに、実際には空いている」
「予約が重複してしまった」
「予約の時間を超えて会議が長引いてしまう」
「参加者のスケジュール調整が大変」
「ホワイトボードなどで会議室を管理しているため、いったんその部屋まで出向かなければならず、移動の手間がかかる」
このような問題が重なることにより、調整役の社員は会議が始まる前から疲弊してしまいます。
特に、資料の作成や共有、スケジュール調整といった点は多くの会社が会議の課題として挙げている点です。
これらのフローに加えて予約がスムーズにできないことで余分な労力が割かれ、肝心の会議自体の質が低下してしまう可能性が出てきます。
さらには、外回りの社員や、遠隔の協力会社との会議を開きたくても、そもそも一堂に集まるのが難しい点も考慮すべきでしょう。
1-2.会議室が足りない
社員数や会議数、来客数に対して、そもそも会議室の数が足りていないことも課題に挙げられます。
会議室が足りない理由としては、下記のようなものが想定できます。
・社員や部署は増加しているが、会議室の数はそのまま
・会議に参加する人数と会議室の大きさが適切でないため、空間が無駄になっている。もしくは、足りていない
・無駄な会議や冗長な会議が多い
会議室が空いていないと、打ち合わせを先延ばしにしなければなりません。プロジェクト全体に遅れが出て、業績に影響が出てきます。
また、お客様が来社した時に会議室が開いてないことにより、応対に困るケースもしばしば。来客の応対に支障をきたすと、会社の印象を落としかねません。
対策として、会議室の増床が挙げられますが、そうすると今度は会議室にあてるための部屋の確保、及び会議室に必要なプロジェクターや音響設備といった設備投資も必要となってきます。
1-3.急なキャンセル時に空き室が出る
多くの会社で問題視されているのが、「会議室の数は足りているのに、予約が管理されていないために空き室が発生する」という点です。
例えば、会議が急な予定でキャンセルになった場合、会議室の空き状況がリアルタイムで可視化されていなければ、その会議室は空き室となってしまいます。
中には、「一応会議室を予約しておこう」といった仮予約をする社員もおり、実際に会議が行われなかった場合、やはりその会議室は空き室となります。
このような空予約や仮予約が慢性的に続いている状況では、効率的な会議室の運用は困難といえます。「空いているのに使えない」という状況は社員にフラストレーションを与えるだけでなく、本当に必要がある会議のために会議室を使えず、会社全体の弊害となります。
1-4.会議室の運営にコストがかかる
「会議室が足りない」という問題点を前述しましたが、逆に会議室が増えることによって、運営コストも増大する点を考慮しなければなりません。
会議室の運営には来客の受付や予約管理、椅子や机などのレイアウトの変更、清掃といった作業が含まれます。
これらの運営管理業務は基本的に間接業務であり、社員の本業とは関係ありません。
会議室の管理に携わっている間、社員は本業を離れなければならず、生み出せるはずだった利益が失われています。
通常、店舗であれば営業面積あたりの売上を計算し、それをどう最大化させるかを考えていきます。
会議によって発生するコストを削減したければ、会議室の運営管理にかかる設備費や人件費も真剣に計算しなおすべきです。
(参考:https://resnavi.info/column/meeting-efficiency/meeting-cost.html)
2.会議室の課題を解決する方法
ここまで、会社が抱える会議室の課題について見てきました。
近年、「会社が保有する施設をいかに有効活用するか」というファシリティマネジメントの観点が重要度を増してきている中で、会議室の課題は社員にとって身近であり、緊急性が高いため、施設管理において真っ先に取り組むべき課題といえます。
ここからは、会議室の課題を解決する方法について紹介します。
ツールや貸し会議室、外部委託といった方法を用いることで、会議室運営にかかるコストを削減し、会議室の運営業務を効率化することができます。
2-1.予約表や会議室予約ツールを利用する
会議室の課題を解決する方法として真っ先に挙げられるのは、予約表や予約ツールを導入することです。
会議室不足が原因だと思っていても、問題の本質は空予約などの予約管理システムにあるケースがあります。実際、会議室の予約管理をしっかり行うだけで、会議室不足が解消されたケースも報告されています。
小規模の会社であれば、紙ベースの予約管理表を置くだけでもかなり改善されますが、中規模から大規模の会社になってくると、紙ベースでは対応しきれません。
そこで、オンラインで会議室の予約を管理できるツールがおすすめです。
オンラインツールの利点は、会議室の空き状況をリアルタイムで更新できることです。また、システムで管理するため、予約の重複や会議の長時間化などの人為的なミスを回避できます。
オンラインツールであれば、社員が誰でも会議室の利用状況を簡単にチェック、及び予約ができるため、予約やスケジュール調整、会議時間の通知といった業務にかかる手間を大幅に削減することも可能です。
急なキャンセルや変更が発生した場合でも状況をリアルタイムで共有でき、他の社員が即座に予約を入れられるため、空き室が発生しにくいのも強みといえます。
さらに、予約管理ツールは利用データを蓄積できるため、各会議室の仕様状況の統計を出すことで、「会議室Aはあまり使われていない」「会議室Bは部屋のサイズと使用人数が適していない」など、問題点を具体的に把握することができます。これらのデータがあれば、さらなる会議室の利用改善を図ることも可能です。
2-2.貸し会議室を利用する
最近増えている貸し会議室やレンタルスペースを社内会議に利用するのも手です。
会議室が足りない会社であれば、これだけで会議室不足を解消できます。快適な環境が整っている貸し会議室で会議を行いつつ、自社の会議室を来客用に回すことも可能です。
貸し会議室の使用にはレンタル料がかかりますが、施設自体にかかる運営管理コストを削減できます。会議室の増床を考えている会社にとっては、むしろ収支はプラスになる可能性もあります。
また、複数の協力会社で集まって会議をする際には会議の場所が1つのネックになりますが、各会社からアクセスしやすい場所にある貸し会議室を利用すれば、その課題も解消できます。
利用代金がかかっている状況においては、冗長な会議はしていられません。結果として、会議の効率化と内容の向上を臨むことができます。
ある調査では、会議室の利用状況を改善するために「会議室の利用を有料化する」という方法が挙げられていましたが、貸し会議室にはそれと同様の効果が期待できるでしょう。
2-3.会議室の運営を委託する
会議室の運営自体を外部委託するのも、課題の解決法として有効です。
施設管理に社員がかかわることの問題点は、人件費、つまり固定費を間接業務に持っていかれてしまうことです。会議室の運営を委託することで、社員は売上や利益にかかわる本業務に注力できるため、会社全体の競争力を引き上げることができます。
委託業者は来客の受付から予約管理、レイアウトの変更、清掃などの施設保全といった様々な作業を一括で引き受け、効率的に運用してくれます。
施設運営に特化した委託業者は、施設の保全・運用・管理についてのノウハウを蓄積しているため、会議室についての課題をクリアしてくれるでしょう。
予約管理や空き室の発生といった課題が解消され、効率的な運用がなされるにつれて、余った会議室を社外に貸し出すといったビジネスチャンスも生まれます。
3.まとめ
ここまで、企業が抱える会議室についての課題と、その解決法を紹介しました。
会議室についての課題としては、下記のようなものがあります。
・予約や調整に時間がかかる
・会議室が足りない
・急なキャンセル時に空き室が出る
・会議室の運営にコストがかかる
また、これらの課題を解決する対策として、下記の3つを紹介しました。
・予約表や予約管理ツールの利用
・貸し会議室の利用
・外部業者への委託
近年、少子高齢化で働き手が減少する中で、企業はこれまで以上に人的コストを最小限に抑えた経営手腕が求められています。
そのような時代において、ファシリティマネジメントを成功させるためには、作業を効率化するツールや外部組織との連携によって、施設を有効活用していく戦略が必要不可欠といえるでしょう。