これを読めば”BPO事業とは”がわかる!企業にもたらすメリットとは?
ビジネス上の課題に対して、自社だけでは解決できない場合に有効なのがアウトソーシングという手法です。
アウトソーシングを検討する際にしばしば「BPO」という言葉を目にする機会は多いでしょう。しかし、その「BPO」という言葉について皆さんは正しく理解ができているでしょうか。
本記事では、BPOについての基礎知識やBPOが浸透した背景、BPOのメリットや業者を選定するポイントについて詳しく解説いたします。
企業の人材不足やコスト面での課題を抱えている方は、これを読んで「BPO」についての知識を深めましょう。
目次
1.BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは
BPOとは「ビジネスプロセスアウトソーシング」の略称です。
アウトソーシングの一種ではありますが、特定の業務のみを外部委託したり、人材を派遣したりする通常のアウトソーシングとは少し形態が異なります。
BPOでは、その業務に関わる一部のタスクだけでなく、業務の一連の流れをまとめて外部企業へ委託します。
特に人事や経理、総務などのノンコア業務や自社で専門知識がない分野など、自社の課題に合わせて、高い専門性を持つ業者へ委託することで、業務の効率化やコスト削減などのメリットがあります。
通常のアウトソーシングの場合では「この業務をここからここまでお願いします」というような一時的な依頼が多いですが、BPOの場合、その業務をどのように進めて、業務効率を上げるためにどのような施策を行うか、というところまで依頼できるため、長期に渡って継続する場合に適しているといえます。
自社の特定の部署を外部のBPO業者の中に配置するというイメージを持つと分かりやすいでしょう。
BPOを活用することにより、自社ではこれまで以上にコア業務に人材やコストを注力することが可能になります。
2.なぜBPOはここまで浸透したのか
日本国内において、BPOの需要は高まっており、その市場規模は年々上昇傾向にあります。
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社が発表した 「国内BPOサービス市場予測」によると2018年の同市場は前年比4.7%増の7,691億円となっています。
また、同データの予測によると、2023年には市場規模は9,147億円へ拡大し、今後も企業の持つ課題の解決のためにBPOが広く活用されていくといえるでしょう。
では、ここまでBPOが日本企業に浸透したのはどうしてでしょうか。
その背景の一つとして、現在の日本における人材不足が挙げられます。
少子高齢化に伴う労働人口の減少、売り手市場により優秀な人材の確保の難しさにより、企業は経営資源(ヒト・モノ・カネ)の有効活用が課題となっています。
こういった課題に対して、BPOを導入することで、自社で希望の人材の採用が叶わなくとも、専門性の高い外部業者への委託を通じて、業務効率化を図ることが可能になります。
つまりBPOは現在の日本企業のニーズにマッチした形態であるといえます。
3.BPOのメリット
それでは、具体的にBPOを導入することによって得られる4つのメリットについてみていきましょう。
3.1.業務の効率化
近年、働き方改革の推進によりどの企業も業務の効率化が課題となっています。
自社だけでその課題を解決するためには、膨大な時間がかかってしまったり、十分なノウハウを持っていなかったりという場合もあるでしょう。
BPOを導入することにより、特定の業務を丸ごと委託できるため、その分のリソースを自社で割く必要がなくなり、業務の効率化が図れるというメリットがあります。
さらにBPO業者は、その業務に対して専門性の高いスタッフが在籍し、豊富な実績を持つため、最適な業務体制を構築することが可能となります。
3.2.経営資源の集中による競争力の強化
企業の中で、コア事業だけでなく経理や人事といったいわゆる間接業務も、会社経営の上で非常に重要だということは言うまでもありません。
しかし「人材」という貴重な経営資源は、できるだけコア事業に割り当てた方が売上や利益に直結しやすいのも事実です。
そこで、ノンコア業務は外部へ委託することで、その分自社のリソースをコア事業に注力することが可能となります。
それにより企業の売上アップや市場における競争力の強化ができるといった経営面でのメリットもあります。
3.3.コスト削減
BPOの導入を検討するにあたり、コスト面での懸念は大きいでしょう。
導入にあたり高額な初期費用がかかるのではないかと不安だ、内製できることを外部に委託することに抵抗がある、という方も多いかと思います。
しかし、BPO業者は同様の業務に対して複数の取引先を持つことによるスケールメリットがあり、自社での人件費や人材育成にかかるコストよりも総合的に見たら安価に委託できるというメリットがあります。
業者に委託したい業務を明確にした上で、自社で行う場合とBPO導入した場合のコストを比較してみると良いでしょう。
3.4.セキュリティリスクへの対策
近年、クラウドサービスやスマートフォンの普及に伴い、企業の情報セキュリティ対策に頭を悩ませているという声をよく耳にします。
セキュリティの強化をするためには、業務プロセスの見直しや社員の教育、システムの導入など多くのリソースを割く必要があります。
また、常に変化していく情報化社会に適応することの難しさを感じているという方も多いでしょう。
そのような場合もBPO業者への委託は最適な方法だといえます。
BPO業者の多くは、ISMS等の認証を取得しており、契約の際にセキュリティの確保を盛り込むことで、適切なセキュリティ対策の実施をしてもらえるというメリットがあります。
4.BPO業者を選ぶ際のポイント
BPOを導入することにより多くのメリットがあることは前述した通りですが、それには自社にとって最適なBPO業者を選ぶことが必要不可欠です。
自社の課題に合わない業者へ委託してしまうと、余計なコストや手間がかかってしまうこともあり、結果として業務効率化やコスト削減につながらなかった、という事態になりかねません。
ここでは、BPO業者を選ぶ際に重要な4つのポイントをお伝えします。
4.1.自社とマッチするパートナーか
まずは、自社の業務の中でBPO化したい業務を明確にしましょう。
現在BPO業者の数は非常に多く、それぞれ得意としている分野が異なります。
それが自社のニーズにきちんと合っているのか、またその分野に対する実績を豊富に持っているかという点は必ず確認しておきましょう。
また、BPO業者は単なる委託先ではなく、自社にとってかけがえのないパートナーとなります。
共に成長し合い、安心して業務を任せられる業者かどうかをきちんと見極めることが大切です。
4.2.対応スピードが早いか
自社の大事な業務を委託するパートナーとして、対応スピードの早さも大事なポイントです。
いざBPOを導入した際に、対応スピードが遅くては、業務効率化は見込めません。
自社の営業時間内に適切な対応をしてもらえるか、納期を守った対応ができる業者であるかどうかをきちんと見極めましょう。
もし見積もりや相談のタイミングからレスポンスが遅い、期限内での回答が得られない、ということがある業者は、いざ業務が開始してからもトラブルが発生しやすいため避けた方が良いでしょう。
また、予約の受付や問い合わせ対応などのコールセンター業務をBPO化する際には、夜間や休日の対応の可否など、自社のサービスに合った体勢となっているかどうかをきちんと確認しておきましょう。
4.3.費用が適切であるか
BPOを導入するにあたり、もちろん委託費用が安いに越したことはありません。
しかし、値段だけで選んでしまい、肝心のサービス内容の品質が悪ければ、BPO導入のメリットは得られません。
費用設定が適切であるかどうかは非常に重要なポイントです。
また、一見安い費用での業務請負をうたっていても、実はそれ以外に多額のコンサル費用などがかかり、結果的に高額になってしまうというケースもあります。
見積もりを確認する際には、その金額だけでなく、自社が求めている品質を保てるか、イレギュラーへの対応ができるかどうか、というサービス内容まできちんと確認しましょう。
複数の業者に相見積もりをとることも大切です。
それぞれの業者の金額とサービス内容を照らし合わせて、一番自社のニーズに合った業者を選びましょう。
4.4.セキュリティ対応基準を満たしているか
BPO業者の規模や実績だけでなく、認証資格の取得をしているかなど、コンプライアンス・セキュリティ管理の徹底についても忘れずに確認しておきましょう。
特に個人情報や機密情報を扱う業務をBPO化したいと考えている場合には、より注意が必要です。
万が一にも、それらの情報が業者から流出するようなことがあっては、自社だけでなく、顧客に対しても多大な損害を与えることとなってしまいます。
そのような事態を防ぐためにも、第三者による公的な認定を受けているなど、安心して委託できる業者を選ぶことは非常に重要な点だといえます。
個人情報の適切な取り扱いを評価する「プライバシーマーク」、情報資産のセキュリティを管理するためのISMS認証である「ISO/IEC27001」など、委託する業務内容に合わせたセキュリティ対応基準を確認しましょう。
5.まとめ
本記事では、BPOについての基礎知識やBPOが浸透した背景、BPOのメリットや業者を選定するポイントについて解説しました。
BPOを導入することにより、業務効率化が図れる、コア業務へ注力できる、業務コストが削減できる、セキュリティ対策ができる、などのメリットがあります。
しかし、その反面業者選定を誤ると、自社で行っていた以上のコストがかかってしまったり、業者とのやり取りに手間や時間ばかり取られたりしてしまうことになるというデメリットもあります。
BPO業者を選定する際には、その業者の得意としていることやセキュリティ対応基準を確認し、自社のニーズにマッチしているか、そして対応スピードや費用面での問題がないかをきちんと確認し、慎重に業者を選ぶことが重要です。
アウトソーシングやBPOについての疑問やお悩みをお持ちの方は、一度お気軽にお問い合わせください。