学会事務局は委託できる! 代行内容や費用について解説
学会の規模拡大に伴い、事務局運営が負担になっていないでしょうか?学会事務局の運営コストやスタッフマネジメントに頭を悩ませているなら、学会事務局の委託をおすすめします。
学会事務局を委託すれば、学会責任者は諸々の定型業務から解放され、学術大会の企画など、より重要な業務に時間を割くことができます。
この記事では、学会事務局を委託するメリットや費用、事務局代行を請け負うアウトソーシング業者の選考ポイントについて紹介します。
目次
1.学会事務局代行のメリット
学会事務局の委託には、スタッフの負担軽減、コストカット、事務業務の品質向上など、多様な側面でのメリットがあります。
この章では、学会事務局を委託する5つのメリットを紹介します。
1-1.事務局維持費の削減
学会事務局の設置、及び維持には、専属従業者への給料、施設費など、様々な固定費がかかります。また、事務スタッフの採用、教育、マネジメントなど、目に見えない部分の費用がかかっていることも忘れてはいけません。
学会事務局を委託すれば、事務局そのものを外部に持つようになるため、これらの固定費をばっさりとカットできます。また、事務スタッフの教育やマネジメントはすべて委託業者が担当するため、今後一切気にかける必要がありません。
1-2.業務量を調節可能
専属従業者を雇うとなると、どんなに業務量が少なくても一定の固定費がかかってきます。事務局を委託すれば、これらの人件費や固定費をまとめて業務委託費へと移行させることができます。
業務委託費=変動費なので、繁閑に応じてコストの調節が可能。比較的業務量が少ない時はコストを減らし、逆に増員が必要な際には委託範囲を広げることで対応できます。自分たちでスタッフの面接・採用・教育活動を行うことなく、委託業者とのやり取りで完結できるのは、大きな魅力といえるでしょう。
1-3.安価で品質の高いサービス
学会事務局運営のプロフェッショナルである専属スタッフが配属されるため、運営や問い合わせ対応が安定します。また、情報や金銭を一元管理するため、人為的ミスが起こりにくくなるのも事務局委託のメリットといえるでしょう。
特に、法人化した学会においては、事務局代行を委託することでコンプライアンスが向上し、運営に安心感が生まれます。
1-4.関係者の負担減
学会事務局でありがちな運営手段として、教授や学生など、有志によるスタッフの手を借りるというものがあります。これは、学会の会計状況が厳しい際によく見られるケースです。
しかし、100人を超える大人数の会員管理や会計管理を素人の手に任せるのは、賢いやり方とは言えません。関係者の負担を解消するためにも、学会運営に精通したスタッフを配置すべきです。学会事務局運営に慣れている代行業者に任せれば、素人による運営業務遂行の心配もなくなります。
1-5.セキュリティ対策
学会事務局では、時に1000人を超える個人情報を取り扱うこともあります。学会事務局代行会社のほとんどは個人情報保護の取り扱いにおける認定制度を取得しており、セキュリティ対策の面で信頼できるといえます。
2.学会事務局代行で委託できる業務とは?
それでは、学会の委託サービスにおいて、実際にどのような業務が委託できるかを見てみましょう。
2-1.事務局運営
学会事務局運営において定型的、非定型的に発生する業務を代行してくれます。
主に下記のような業務が挙げられます。
・会員管理・・・会員情報登録・変更、入退会処理、個人情報の取り扱いなど。
・会費管理・・・会費受付・請求など。
・会計業務・・・出納管理、口座管理、会計帳簿作成、会計報告、税務処理、財産管理など。
・受付窓口・・・各種問い合わせの受付など。
これらの定型的な事務業務を代行サービスに任せることで、学会責任者は学術大会の企画などのコア業務に専念することが可能になります。
2-2.学会誌など印刷業務
学会で発生する様々な印刷業務を代行してくれます。代行サービスを利用することで、下記のような業務を委託できます。
・印刷物の作成、販売、保管、発注
・投稿論文の受付
・査読管理、編集
・電子ジャーナルへの掲載
学会では研究報告書、論文、抄録集、レジュメ・セミナー資料、学会プログラム、ポスター、横断幕や垂れ幕、名刺・名札、参加証、封筒など様々な印刷物を管理しなければなりません。
印刷業務は学会運営におけるメイン業務の一つであり、外部に切り出すことができれば、大きく負担を軽減できるでしょう。
2-3.学術大会開催
学術大会の開催サポートも充実しています。主に委託できる業務として、下記のようなものが挙げられます。
・企画運営・・・学術大会の企画サポート
・開催案内・・・メールやDM、ウェブサイト、ポスター等学術大会の告知
・募集受付・・・申し込み受付システムの構築、リアルタイムでの管理
・会場手配・・・会場予約、会場レイアウト作成、経費の見積もり
・資料作成・・・大会の際に必要となる資料、テキスト、抄録等の作成・印刷
・当日運営・・・当日の受付、会場案内、会場設営、司会進行といった各種業務
これらの業務を委託することで、学術大会委員会メンバーはメインとなる企画、講師や演者との連絡など重要業務に注力できます。
2-4.そのほか
その他、下記のような業務も委託可能です。
・ウェブサイト構築・管理
・各種委員会運営・管理
・庶務業務
3.学会事務局代行にかかる費用
学会事務局代行にかかる費用は、学会規模 × 業務範囲で決まります。また、必要な業務だけ委託することも可能なため、依頼に応じてその都度見積もりを取るのが一般的です。
あくまでも目安ですが、下記に代行費用の一例を記載しましたので、参考にしてください。
例:(会員300人、期間1か月、ランニングコストのみ)
【事務局運営代行】
- 300人規模・・・月額200,000円~
- 1000人規模・・・月額500,000円~
- <対応業務>
問い合わせ業務、会員管理業務、資料・備品等の発送管理業務
(※物品代・送付代は別途)
【学会誌印刷代行】
- 1000部・・・約700,000円前後
【ホームページ制作・更新】
- ホームページ制作・・・1回300,000円~
- ホームページ更新・・・1月10,000円~
【学術大会開催】
- 2,000,000円~
※それぞれ税抜
4.委託業者を選定するポイント
ここでは、学会事務局の委託業者を選定するポイントを解説します。
4-1.費用
各学会のニーズによって委託範囲は細かく異なります。ホームページなどに掲載されている費用はあくまで選考基準の1つとして考え、その他の選考基準と合わせて、冷静に業者を見定めていく必要があります。
4-2.委託したい業務範囲に対応しているか
「学会事務局代行」と謳っていても、印刷業務のみの代行や、学術大会等の参加受付システム提供に特化したサービスなど、委託できる範囲は業者によって様々です。自身が委託したい特定の業務に対応している業者かどうか、サービス内容を確認しましょう。
4-3.実績
多様で長期的な代行実績を持っている業者は、信頼が置けるといえます。実績がある業者は業務内容に変更が出た時や、トラブルへ冷静に対処することができ、事務局運営が安定します。
4-4.提案力
事務局運営を委託するのが初めてである場合、委託範囲や費用の決定に悩むことでしょう。そんな時、プロの視点から的確な提案をしてくれる委託業者とパートナーシップを組むことができれば心強いですよね。
委託業者が提案依頼書の内容をただ唯々諾々と了承するだけでなく、ポイントを押さえた質問や提案をしてくれるかどうかで、委託業者の提案力を測ることができます。
4-5.アウトソーシング事業の割合
委託業者が展開している事業の中で、アウトソーシング事業が占める割合を確認しておくことも重要です。委託業者の中には、印刷業やシステム開発などのメイン事業を持ちながら、学会事務局代行をサブ事業として受託している業者も存在します。
学会事務局代行がメイン事業でない場合、本業の業績や展開に合わせて、自社都合でアウトソーシングを放棄してしまう可能性は否定できません。また、「アウトソーシング事業そのものが儲からないから」といった理由で、代行サービスを打ち切る可能性も考えられます。
サブ事業ではあっても、アウトソーシング事業を本格的に展開している様子がうかがえるのであれば、継続的なアウトソーシングサービスが期待できます。
5.まとめ
委託業者を見極めるために、アウトソーシング事業をメイン事業としているかどうかを見極めることが重要です。
株式会社ニューズベースは様々な事務局の代行を専門とするビジネス・プロセス・アウトソーシング業者であり、安定した事務局代行サービスを提供していることで定評があります。
大規模化した事務局の委託には多様なメリットがあります。「委託費が高くつくのではないか」「本当にニーズが解消できるのか」といったお悩みを抱えている方は、まずはお気軽に相談だけでも検討してみてはいかがでしょうか。