展示会出展の準備を整えて出展効果を高める方法とは
大規模な展示会に出展する目的は、数千から数万規模の来場者をブースに呼び込み商談のリードを増やす事や自社や自社商品、サービスを多くの人に知ってもらうためなどさまざまです。東京ビッグサイトや国際フォーラムといった大きな会場では、さまざまな展示会が開催されています。
中小企業などは予算の都合上、良い商品やサービスを持っているのにも関わらず、マスをターゲットにした広告や宣伝に力を入れられません。このような企業にとって展示会は直接的に潜在顧客と接触できる絶好の機会です。工夫次第で大きな効果を上げられる場でもあるため重要です。
展示会に出展することで、営業案件の獲得、認知度の向上、既存顧客との関係性の強化などのさまざまなメリットが得られます。
この記事では、展示会で得られるメリットやデメリット、準備の方法についての注意点を詳しく紹介します。展示会というビジネスチャンスを逃さないために、ぜひ参考にしてください。
目次
展示会に出展することによる効果は?メリット・デメリットを解説
展示会の開催に参加する前に、まず知っておきたいのが展示会に出展することの効果やメリット・デメリットです。やみくもに展示会に参加しても、思った通りの効果が得られず、コストや手間、時間だけがかかってしまうといった結果にもなりかねません。
そのため、展示会に出展することによる効果やメリット・デメリットを知り、展示会に参加する目的を明確化することによってビジネスチャンスを最大限に活かせるようになります。
これから解説することを参考に、展示会という場を有効に活用し、効果やメリットを最大限に受けられるようにしましょう。
1.展示会に参加するメリットとは
展示会に参加することでさまざまなメリットを受けられます。そこでここでは、展示会に参加するメリットについて解説していきます。
展示会に参加するメリットは以下の通りです。
・営業案件の確保
・認知度の向上
・既存顧客との関係性向上
1-1.営業案件の獲得
企業ブースへの来場者に適切なアプローチをすることで、商談へと繋げることができます。これは、自社の利益と直結する、非常に大きなメリットです。
展示会に参加することで、その場で商談につながるケースもありますが、見込み客の獲得も重要なメリットです。そのためには、展示会ブースで顧客情報を獲得することが重要になります。電話・メール・DM・訪問などでの継続的なフォローをすることで、有望な見込み客へと育て、商談へと繋げていきます。
その場で商談につながる見込み客をメインにするなら、展示会の企業ブースに商談専用のブースを設置し、充実させましょう。また、見込み客獲得をメインにするなら、展示会の企業ブースを広くとり、来場者が集まりやすく立ち寄りやすいブースづくりを行うことが重要になります。
1-2.認知度の向上
自社について知ってもらう機会を作り出すことは容易ではありません。メディアに企業のイメージ広告を出して、多くの広告のなかで認知度を高くして成果につなげる費用対効果は年々薄くなっています。
そこでおすすめなのが、展示会に出展し来場者に自社をアピールすることです。自社のイメージに合った、ユニークな展示をすることで、ブランドイメージを多くの方に知ってもらえるチャンスが生まれます。
また、展示会でユニークな展示をしたことがSNSなどにより、拡散されることで、より多くの方に自社について知ってもらえるようになります。そのため、企業ブースをSNS映えするように工夫することも1つの手段です。
1-3.既存顧客との関係性向上
既存顧客と直接コミュニケーションを取ることは、普段ではとても困難なことです。しかし、展示会を既存顧客とのコミュニケーションの場とすれば、日ごろの感謝や新しい取り組みを伝え、関係性を向上することができます。
顧客との関係を深めることで、自社の他の商品やサービスの導入、顧客からの紹介、契約の延長などにつながります。展示会に参加することで既存顧客と深くコミュニケーションを取ることが可能になり、自社への信頼をより高めることにもつながります。
このようなことから、展示会に参加することで企業側にとって多くのメリットがあるため、参加することがおすすめです。
2.展示会に参加するデメリット
展示会に参加することでさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあるため、理解したうえで参加しましょう。そこでここでは、展示会に参加するデメリットについて解説していきます。
展示会に参加するデメリットは以下の通りです。
・コストや手間がかかる
・来場者が来ない可能性がある
2-1.コストや手間がかかる
展示会の準備は想像以上にやることが多く、しっかり段取りを行わなければ失敗してしまう可能性が高くあります。また、準備を万全にしなければ出展費やブースの装飾などにかかったコストが無駄になってしまいます。そのため、展示会に参加する場合には、目的を明確に設定し、無駄なコストをかけないようにしましょう。
ギフトショーを1例にどれほどのコストがかかるのかご紹介いたします。
1.展示会出展コスト
展示会には様々なコストがかかります。もちろん、展示するブースの規模にもよりますが、ここでギフトショーでのブースプラン費を見てみましょう。
ギフトショーの出展料金はギフトショーHPにてこのように提示されています。
【1小間】3.0m(間口)×3.0m(奥行き)×2.7m(高さ)
……¥407,000(税込)+オプション預り金(¥80,000~¥160,000)
3.0m×3.0mが1小間とありますが、企業によってはこの広さで出展することが難しい場合もあります。その場合には2小間、3小間と大きくブースを借りることになりますが、金額も倍増となるため、ブースを借りるだけでもコストが高くかかります。
※2022年8月22日現在
2.展示物、配布物の準備
展示会はブースを作るのも重要です。看板の作成や展示物を乗せる台の準備など、細々とした設置物も必要となってきます。また、従来のパンフレットや展示物をそのまま使う場合もありますが、新たに制作したり、ノベルティを変えたりする場合に備えてコストの見積もりや長めの期間設定が必要です。
展示会出展について詳しく知りたい方はコチラの記事も参考にどうぞ。
⇒「展示会、出展のメリット。成功するために必要なポイント知っていますか?」
2-2.来場者が来ない可能性がある
ブースの位置や来場者の導線、時間帯、人員の配置などを念頭に置いて事前に戦略を練るのが重要です。ただ、展示会に参加しただけでは来場者がブースにご来場いただけなかったり、せっかく来ても商談へとつなぐ事ができないかもしれません。
そのため、展示会に参加する前にあらかじめ目的を明確に設定し、どのような展示ブースを作成するのか入念に考えることが重要になります。
このようなことから、展示会に参加するということで起こるデメリットも存在するため、理解したうえで参加するようにしましょう。
3.展示会の集客率を高める準備とは
先ほどは、展示会に参加するメリット・デメリットについて解説しました。では、展示ブースにはどのように人を集めたらよいのでしょうか。人が集まるブースと集まりにくいブースには大きな差があります。なぜ大きな差ができてしまうのか下記、理由について解説していきます。
・人が集まる展示ブースに必要な3つの要素とは
・効果0!人が集まりにくい展示ブースの特徴とは
3-1.人が集まる展示ブースに重要な3つの要素とは
メッセージング
▼来場者の目に止まるメッセージングの重要性
まずブースに来てもらうには来場者の興味を惹かなければ始まりません。たくさんのブースがある中から、自社のブースを見つけ足を運んできてもらう為には、来場者の行動心理を考えることが重要です。
勤める会社の業務で日々忙しい中、来場者は何故展示ブースに足を運ぶのでしょうか?来場者にはこういった悩みや要望を多く持っています。
「自社の足りていない部分を補うソリューションはないだろうか?」
「現状よりもっと業務効率化を図れるソリューションはないだろうか?」
「競合他社はどんなサービスを打ち出しているのだろうか?」
と、 展示会に来場する方々は自社をより良く運営する為新しいサービスの情報を求めています。
そこで、その来場者の持つ悩みに対して自社がソリューションを持っていますよ!ということを伝えることが最も重要なことです。その「メッセージング」こそ、来場者に足を止めてもらえる取っ掛かりとなります。
どこの企業にも抱える問題は必ずあり、その悩みは実に多種多様です。サービス提供者側は、自分のサービスをどこの企業が求めているのかわかりません。だからこそ、たくさんの人に自社サービスに対して興味を持ってもらい、知ってもらう為に来場者の目に止まるメッセージングが必要なのです。
▼効果的なメッセージング手法とは?
では、効果的なメッセージング手法とはどのようなものなのでしょうか。
・導入のメリットが端的でわかりやすいキャッチコピーにする
このサービスを導入することでどういったメリットがあるのか、ひと目でわかると来場者もブースに立ち寄りやすくなります。来場者は一瞬で他のブースへ行ってしまう可能性があるため、端的でわかりやすいことがとても重要です。
自社サービスはどの課題を持った企業に対して有効なのか、サービスのターゲットを絞り、そのターゲットの課題解決の為のソリューションであることをメリットと合わせて提示する提示することによって、ニーズを持つ来場者に関心を持ってもらえる可能性が上がります。
・広すぎない、よりニッチな内容にする
メッセージングの内容が広すぎて、他社サービスとの違いがわからないとき、来場者は他の目を惹くブースへと流れていきます。前出のように、誰に向けたメッセージングなのか?ということを考え、ターゲットの課題解決に寄り添った、よりニッチなものにすることが重要です。また、展示ブースの目的が明確なほど来場者を惹きつける可能性が高くなります。
・ブースの高い位置に掲出する
来場者の見やすい位置にメッセージングを掲出することも大切な要素の1つです。来場者がブースを見るときに入ってくる情報は、ブースの上の方の情報から入ってくることが多いと言われています。
メッセージングの代名詞、いわゆる「看板」は上部に設置してあることが多く、その理由は、「見やすい位置」「最初の情報は上から入ってくる」という2点にあります。
基本的なことではありますが、メッセージングをブースの高い位置に掲出することも集客の大切なメッセージングの手法なのです。そのため、メーセージングは来場者が見やすい位置に設置するようにしましょう。
ブランディング
▼来場者の目に止まった、その後は?
先で記述しました「メッセージング」は「自社サービスを知ってもらう」という意味で大切な要素であり、来場者はメッセージングを見て初めてそのサービスを知ることができます。
では、サービスを知った後、来場者はどんなことを考えるのでしょうか。メッセージングが目に止まった来場者は、今度は安心して取引のできる企業かどうかを考えます。
「サービス導入以前に、この企業はどんなことをやっている会社なのか?」
「導入後、しっかり対応してくれる企業なのか?」
と、来場者は疑問を持ちます。
その疑問に対して「安心して取引のできる会社である」とアピールしていくことが重要です。それには、企業のブランディングをしっかりと表現していくことが重要となります。
▼ブランディングによる長期的な企業のメリットとは?
ブランディングとは、ブランドに対する共感や信頼感を通じて、顧客にとってのサービス価値を高めていくことを指します。ブランディングが集客やサービス導入に直結するのか、というと短期的な施策では難しいかもしれませんが、長期的な目線で考えると企業として大きな利益があります。
例えば、いくつか似たようなサービスや商品があり、どのサービスもメリットに大差がなく、何を選択すればいいのか迷ってしまっている場合、来場者は最終的にどのようにサービスを選ぶでしょうか。そんな時、人は「自分が知っていて安心できる企業のサービス」を選択する可能性が非常に高くなります。
上記のように類似したサービスの中で検討した際、企業のブランディングは最終的な意思決定を促すのです。これを展示ブースで表現するには、ブースのテーマやデザインの一貫性が最も重要な役割を担います。
一貫性のあるブースは出店回数が増えていくに連れて、
「このブース見たことがある」さらには、「この企業知っている」
というように顧客に認知してもらえ、この間接的なコミュニケーションが長期的に見てブースへの集客にも繋がってくるのです。
決して派手な手法ではありませんが、企業のブランディングの積み重ねが認知度向上に繋がり、来場者に安心感を与え、「選んでもらえる企業」となり得ます。このようなことから、展示会に参加する際には、長期的な視野で利益を考えることが重要になります。
コンテンツ
▼自発的にパフォーマンスをしよう!
来場者は前出の通り、自社をより良く運営する為に新しいサービスの情報を求めています。しかし、たくさんの出展ブースがある中で、初めから自分が求めている会社・サービスはここの会社だ!とわかって来場される方はそう多くはないでしょう。
出展社側はそのような来場者達に対して、きちんと情報発信をする必要があります。また、その情報の内容は来場者が求めているものであるとアピールしなくてはなりません。
例えば、ブース前でチラシを配ったり、定期的に来場者向けのプレゼンテーションを行うなど自発的にパフォーマンスをすることで、サービス導入に向けてのリードを獲得することが出来ます。
こうしたコンテンツを考えて実行することが、人が集まるブースとなる秘訣なのです。このように小さなことをコツコツと積み重ねることで、やがて多くの来場者が足を運ぶ展示ブースを完成させられます。
3-2.効果0!人が集まりにくい展示ブースの特徴とは
■何のサービスを取り扱っているかわからない
ブースに大々的に「会社名」を掲出していても、「何のサービスを取り扱っているか」を書いていない、という企業は意外と多くあります。来場者がブースを見て興味を持ってくれるかどうかは、来場者がブースを初めて見るほんのわずかの時間で決まります。その為、そのわずかな時間で会社名だけではなく、「何が提供できる会社なのか」ということをアピールすることが重要となります。
テレビCMで放送されている大手の有名企業や同業他社で競合サービスを展開している会社に関しては、会社名を見るだけでどんなサービスをやっている会社か想像がつくでしょう。しかし、多くの会社は会社名を見ただけではサービス内容まで理解することは出来ません。
まず「何のサービスを取り扱っているか」を分かるように提示ことは、サービスに興味を持ってもらいブースへ足を運んでもらえる第一歩と言えるでしょう。このようなことから、来場者がひと目見ただけで自社のサービスがわかるような展示ブースを作ることが重要です。
■ブースに近寄りがたい雰囲気になっている
出展社側はそうは感じていなくても、来場者から見てブースに近寄りがたい雰囲気になっていることがあります。これは、集客できない出展ブースとなる大きな1つの要因です。
特に、出展社側の企業スタッフが大人数でブースの前に列をなして立ち尽くしている場合。ブースの入り口を占領している状況では、来場者はブースに立ち寄る以前に近寄りづらくなってしまいます。
「せっかく出展しているのだから、たくさんの来場者の方に見てもらいたい!」と、意気込む気持ちは伝わりますが、それによって来場者に近寄りづらい圧力をかけてしまっては効果が出づらくなってしまいます。来場者の方は一体どうしたら親近感を持って自然とブースに近寄ってきてくれるのでしょうか。
その為には、ブースの規模感を配慮した適正な人員配置や企業スタッフの対応など来場者の行動心理に則した戦略を考えることが重要なのです。また、展示ブースの規模感を配慮することで人件費の削減にもつながります。
■ブースが目立たない
展示会では同じサービスカテゴリで出展場所をまとめられていることも多く、競合他社のサービスもたくさん出展している中で、必ずしも自社のサービスが目立つとは限りません。
同じようなブースが並んでいるとき、来場者は特徴がないブースには足を運びません。他の特徴があって、面白そうなブースへと流れて行ってしまうのです。それに加え、出展社が「このサービスも、あのサービスも紹介したい」と、複数のサービスを数多く展示してしまうことで、「何を紹介しているのかよく分からないブース」になってしまいます。
本来来場者が求めていたサービスであったとしても、ブース自体が来場者の目に留まらなければ検討の余地もありません。
出展する自社サービス「他とは違う特徴」とは何なのか。複数サービスがある場合は、どのサービスをメインとして出展するのか。自社サービスの強みと、展示して伝わりやすいサービスを選定することで、より個性的で興味をそそるブースを作ることが出来るのです。
最近では、SNS映えする展示ブースを作成することで多くの来場者が足を運ぶ可能性が高まります。
■雑然としていてブース自体の第一印象が良くない
来場者はサービス以外にどのような部分を見て、立ち寄るブースを選んでいるのでしょうか。来場者は類似サービスの出展ブースが並んでいた場合、無意識で第一印象が良いブースを選ぶこともあります。ブース自体の第一印象が悪い例としては、サービスの展示が雑であったり、照明が暗かったり、企業スタッフに笑顔が足りなかったりすることが挙げられます。
こうしたブースの設営や出展社スタッフの雰囲気を来場者が見た時、「サービスはしっかりした作りになっているのか」「導入しても適当な対応をされそうだ」と思います。そして、自社ブースではなく周囲のより印象の良い類似サービスを扱う展示ブースが選ばれてしまうのです。
サービス内容の他に「丁寧さ」「清潔感」「快活さ」など、来場者に良い印象を与えることは、来場者のサービスの導入検討をしてみようという気持ちに繋がります。ブースの第一印象はそれほど重要なものです。ブースを出展する際には、「ブースを見る方にどうしたら良い印象を与えることができるのか」ということを客観的に考える必要があり、集客が少ない場合には、常に改善点を考えて柔軟に対応することが求められます。
■ブースの位置が悪い
ブースの位置が来場者から見えづらい位置にあったり、メインの通りから外れた場所にあり来場者の往来が少ない場合など、ブースの場所によって来場者が集まらないこともあります。これは、予算の都合やこちらからブースの場所指定が出来ないなど不可抗力によるものも大きいですが、事前準備によって解決出来ることもあります。
自社のブースの位置が目立たない場所であると予想される場合には、来場者が遠くから見ても認識出来るように大きな文字でキャッチを入れたり、ブースの装飾を派手にしたり、照明をより一層明るくするなど、ブースの存在感を高めるアイディアを盛り込むことが重要となります。
「メインの通りでないから集客が見込めない」と諦めずに、「どうしたら気づいてもらえるのか」という部分に知恵を絞り、工夫を施すことで集客の結果が大きく変わってくるのです。
このようなように、来場者が集まりにくい展示ブースには特徴があります。そのため、集まりにくい特徴を避け、来場者が足を運びたいと思う展示ブースの作成を行いましょう。
4.出展効果を高める3つのポイント
全段落をまとめますと、展示会には多くの企業が出展しているので、その中から自社を選んでもらい、顧客を獲得するのは容易ではありません。ですので、展示会で効果を上げるためには、ただ出展をするのではなく、見込み客獲得や契約などの成果に繋がるよう戦略を練る必要があります。
これを怠るとせっかくコストや手間をかけて展示をしても、成果が得られず無駄になってしまいます。では具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。そのためには以下の3つのポイントが重要です。
・何を誰にアピールするのかを考える
・紹介する商品やサービスを絞る
・印象的なキャッチコピーを掲げる
■何を誰にアピールするのかを考える
まずは展示の目的を設定して、自社のどんな商品やサービスを、どのターゲットに伝えるのかを決めます。次にターゲットにどんなアピールが響くのかを考えて作戦を立てます。
例えば、コスト削減に悩む企業がターゲットであれば、「自社のサービスを使えば、コストが削減できる」といったように、ターゲットの抱えている課題が自社の商品やサービスを導入することで解決できるという訴求をすると有効でしょう。
■紹介する商品やサービスを絞る
出展する際には、「できるだけ多くの人の関心を引きたい」と思うあまりに、紹介する商品やサービスを多くしがちです。
ですが、紹介するものが多くなればなるほど、来場者がパッとブースを見たときに、何をアピールしているのかが分かりにくくなります。1ブースにつき1アイテムに絞って紹介し、ピンポイントで訴えかける方が見込み客の獲得に繋がり、商談に進みやすくなります。
■印象的なキャッチコピーを掲げる
企業ブースの多くで、社名や商品名を大きく掲げていますが、自社や商品名の知名度に自信がない限り、おすすめしません。なぜならば、知名度がない企業の場合、来場者が社名や商品名を見てもピンと来ないからです。
社名や商品名を知ってもらう前に、まずは印象的なキャッチコピーを掲げて、来場者の注意を引くことが肝心です。例えば、コストを削減するサービスなら、コスト削減の効果をアピールするキャッチコピーで目を引き、その近くに社名や商品名を掲げるとよいでしょう。
この3つのポイントを意識して展示会に参加することで、効果が大きく変わる可能性があります。
5.これさえあれば失敗しない!展示会出展スケジュール全容
展示会出展の準備はタスクが非常に多く、スケジュール管理が大変です。
下記に展示会準備の基本的なスケジュールを記載しました。参考にしながら作業の優先順位を決めていくことがおすすめです。また、完了したタスクには、チェックを入れ、展示会出展のメンバーと共有することも重要になります。
■1年~半年前
・予算項目の確認
展示会出展の予算を決めます。主な予算項目は、出展費、ブース装飾・運営費、その他ですが、詳細に費用をピックアップすることで、より予算管理がしやすくなります。
・出展申し込み
展示会によっては一年前くらい前から申し込みをスタートしているケースもあります。早期申し込みをすると特典がある場合もあるので、早めに申し込むのがおすすめです。
■半年前
・過去のデータを確認する
これまでの出展時の目標値と達成できたかどうかを確認。その数値をもとに、今回の目標値を決めます。前回達成できていなかった場合は、対策を考えましょう。
・展示の目的を決める
見込み客が獲得したい、商談をなるべく多くしたいなど目的によって展示のコンセプトや内容を決めます。具体的な数値目標も合わせて設定しましょう。
■5ヶ月前
・予算の設定
参加経験がある場合は昨年の予算を、新規出展の場合は出展マニュアルを参考に、以前洗い出した予算項目をもとに予算を設定します。
・出展ブースの最終決定
展示内容やプログラムを考慮したうえで、出展ブースを最終決定します。あまり窮屈なブースですと、立ち寄りにくいので、その点も考慮してブースの構成、人員の配置を設計しましょう。
・コンテンツの選定
ブースに展示する製品やサービスなどを決めます。
■4ヶ月前
・業者への依頼
展示ブースの企画や運営などを任せる業者に依頼をします。
・運営スタッフの選定
スムーズに進行するには、充分な人数の運営スタッフが必要です。早めに確保しておくと安心です。
■3ヶ月前
・展示ブースの装飾業者の決定
・ホテルや交通機関のチケットの手配
大規模なイベントになればなるほど、直前にホテルの部屋を確保するのは難しくなります。交通機関のチケットと合わせて早めに手配しておきましょう。
・カタログ・パンフレットの企画構成
カタログやパンフレットを作る場合は、この時期からとりかかるとスムーズです。
■2ヶ月前
・展示会運営事務局への各種申請
必要な申請はこの時期に済ませておきましょう。また、装飾業者が代行してくれるケースも多いので、事前に確認しておくと良いです。
・招待状の作成
ブースへの来客が見込まれる得意先や見込み客の送付リストを作り、招待状を作成します。
■1ヶ月前
・招待状の送付
・輸送の手配
大型、または精密品の輸送は早めに手配しておくとスムーズです。
・カタログ、パンフレットの印刷
・ノベルティの準備
■2週間前
・プレスリリース
自社のホームページやメディアなどに、出展の案内を出します。
■1週間前
・運営シミュレーション
当日の運営がスムーズに行われるよう、チームでシミュレーションを行います。
・最終調整
・確認
最終チェックをして、準備の漏れを防ぎます。
6.まとめ
展示会は自社や自社商品をアピールし、売り上げアップをかなえるビッグチャンスです。メリットとしては、営業案件の獲得や認知度の向上、既存顧客との関係性向上などがあげられます。
コストや手間がかかる、来場者が来ない可能性があるなどのデメリットはありますが、特に中小企業にとっては、新規開拓の絶好の機会。大企業に比べて、知名度や広告にかけられる費用の額が低くても、多くの人にアピールするチャンスです。
展示会に参加する際のポイントは二つ。スケジュール管理を徹底することと、成果を出すために戦略を練ることです。
展示会の準備の作業量は膨大なので、スケジュール管理をしっかりしないと、当日の運営が上手くいかないといった事態を招きかねません。一年前、半年前…と時期ごとにやるべきタスクをしっかり把握して、優先順位を意識したスケジューリングをしましょう。
展示会には多くの企業が出展しているので、ただブースを設けているだけでは埋もれてしまいます。ターゲットをしっかり設定する、紹介する商品やサービスを絞る、印象的なキャッチコピーで来場者を引きつけるといった工夫をすることで、顧客獲得や売り上げアップなどの成果につながります。