今注目の”ES”が会社の業績を左右する鍵?向上する方法とは
昨今において、Employee Satisfaction(従業員満足度)が大きな注目を集めています。
生産性の向上、優秀な人材の流出の防止などの課題に対して、Employee Satisfaction(従業員満足度)は密接に関わっている指標です。
また、政府が「働き方改革」を推進しているということもあり、企業にとって従業員の満足度は大変重要なものになっています。
今現在において、先進的な企業はすでに従業員の満足度を高める施策を実施し、会社の成長へと繋げています。
しかし一方で、当該指標に着目せず人材の流出や生産性の低下や業績の悪化を招いている企業も少なくありません。
企業側の視点に立てば、従業員満足度に対する十分な配慮をすることは必須事項となりつつあります。
本記事では、従業員満足度が企業に与える影響や、具体的な施策例をお伝えします。
目次
1.Employee Satisfaction(従業員満足度)とは?
Employee Satisfaction(従業員満足度)とは、名前の通り「従業員が会社に勤めている上で感じている満足度」のことです。
省略して「ES」と呼ばれることもあります。
満足度は、給料や賞与の額のみならず、下記に代表される項目から多角度的に測られます。
- 福利厚生
- 上司・部下との関係性
- モチベーション
- 会社理念への共感度
- 設備
- 業務内容
上記した以外の要素でも従業員の満足度が測られることもあります。
今まで日本においては、ビジネスにおいて「顧客満足度(Customer satisfaction)」を追求することが優先されてきました。
しかしながら、従業員満足度が高まれば、顧客満足度も高まるという関係性があることも証明されております。
理由として、従業員満足度が高い状態であれば、従業員は顧客に対して高いモチベーションを持って接するようになり、従業員満足度を高めることができれば、会社にとっても大きなメリットが還元される傾向が強くある、という理由からそのように証明されています。
もちろん、全ての側面で、全ての従業員が満足しているような状況を作ることは不可能です。
とはいえ、企業の努力次第で一定の水準まで満足度を引き上げることは可能です。
近年において、企業に対して従業員満足度を高める取り組みを行うことが求められています。
2.ESを上げるためになぜ社内イベント?
ESを高めるための施策として、社内イベントが用いられるケースが多々あります。
社内イベントが従業員の満足度にもたらす影響は大きくあります。
社内イベントを行うことにより、社内コミュニケーションが円滑になりやすくなります。
社内コミュニケーションが円滑であれば、ビジョンの共有、意見交換しやすい空気を作り出すことも可能です。
結果として会社風土がよりよい形で醸成され、従業員間での連携もスムーズになり得る、というメリットがあります。
このメリットは、具体的に「離職率の低減」「顧客満足度上昇」「生産性の向上」といった形になって現れ、結果としてESが高まります。
興味深い社内イベントの一例として、株式会社未来工業が実施する海外旅行が挙げられます。
株式会社未来工業の社員旅行は、5年に一回のペースで実施されます。
旅費は全額会社負担で、宿泊するホテルは四つ星以上のホテルであるなど、充実した内容です。
2015年に行われたイタリア旅行中には、社内での写真コンテストが行われ、優秀者には一年間の有給休暇を取得する権利などが付与されるなど、従業員にとっては魅力的なイベントを開催しています。
ハイグレードな宿泊体験や、景品が豪華なコンテストという形の社内イベントを実施することで、ESを高く維持しているといえます。
しかし未来工業の社内イベントのような規模で社内イベントを実施するとなると、現実的には難しいかもしれません。
しかし、小規模な社内イベントであっても、ESを高めることは可能です。簡単なレクリエーションや社員表彰制度でも、十分な効果が期待できます。
3.ESが上がる社内イベントとは?事例紹介
未来工業事における例以外にも、従業員満足度を高める社内イベントの実例は多数あります。
こちらではES向上を達成できたといえる社内イベントを実施した会社を紹介いたします。
3-1.ヌーベルグループ
ヌーベルグループは設立30周年を迎えたことを記念して熱海後楽園ホテルを貸し切り、「周年イベントが、社員にとって楽しみになる」ということを目標として一泊二日の大規模な社員旅行を行いました。
この社員旅行は社員の家族の参加も促し、当日は全社員大型バスで移動し、宿泊部屋もビューが優れた部屋が用意されるという至れり尽くせりのプランでした。
夜には盛大なパーティーが開かれて、経営陣が次なるビジネスビジョンを社員へと伝えました。
参加した従業員からは「楽しかった」という満足度の高い声が多く上がりました。
ホテルやパーティーに対する満足度はもちろんのこと、「スマラポ」というアプリを使った「思い出を参加者同士で共有できる」というプランの内容が好評を博しました。バスで移動している段階から撮った写真を従業員同士でシェアできたことにより、旅行を楽しいと思うことや、周年パーティーが行われる前の段階ですでに「会社の30周年を祝おう」という雰囲気ができ、結果として会社として従業員との一体感を創出することができました。
会社の現在までを祝い、同時に将来へのチームで進んでいく意識を共有することが出来ました。
3-2.ドミノ・ピザ
ドミノ・ピザにおいては、会社設立25周年を記念した周年記念パーティーが行われました。
25周年目を迎えると同時に社名変更があったため、「ドミノ・ピザ元年」としての意識の共有も狙いとなっていました。
周年記念パーティーのテーマは従業員にとって、パーティーをオアシスのような存在にする、という意味のもと「オアシス」とされました。
パーティーを企画するチームにいる多くの人間が、かつては店舗現場で働いていた経験を持っていたと言うこともあり、店舗で働いている従業員の思いを汲み取ることを重要視されました。
会場は非日常を感じさせる「ドミノゲート」を作り、ドミノカラー(青、赤)で装飾したり、社員の顔で作ったモザイクアートや歴代ユニフォームをするなど、現在働く人が主役となった空間が出来上がりました。
イベントの最後には全員でテープカットを行い、全社員で一体感を共有することができました。
3-3.株式会社柿安本店
株式会社柿安本店では、毎年「柿安料理コンテスト」が行われており、社員、パート含め総勢5,000人の従業員が、オリジナルメニューを作って腕を競います。
ES向上におけるメリットの一つ「顧客満足度の向上」を主目的とし、「顧客に選ばれ続ける料理を作るため」という理由のもと、コンテストは実施されています。
柿安本店は「顧客に選ばれ続けるためには社員が自ら考えチャレンジすることを継続する必要がある」と考え、その一環として料理コンテストを開催し、全社員にチャレンジの機会を設けています。
コンテストは予選と決勝で構成されており、役員や関係者、食通のブロガーを審査員に置き、調理段階から料理の味まで徹底的に評価します。
結果として、コンテストの開催が重ねられるごとに、社員のアイディアや能力は着実にハイレベルなものとなり、「社員が自ら考えてチャレンジする」場として成り立つことが可能となりました。
また、グランプリに選ばれた商品は柿安本店の公式メニューとなり、実際に店舗で顧客に提供され、社員がグランプリを目指してコンテストに臨むことにより、生産性や顧客満足度の向上にも繋がっているといえます。
4.まとめ
Employee Satisfaction(従業員満足度)の重要性は年々高くなっており、様々な施策が必要だといえます。規模の大小に関わらず、社内イベントを活用することによって従業員満足度の向上を見込むことができます。社員を労う旅行や周年パーティ、社内コンテストなど上記にご紹介しました事例をご参考にしてみてください。