オンボーディングとは?実施目的やメリット/事例や成功させるポイントを紹介!
新たな人材が入社したのにも関わらず、すぐに辞めてしまっては意味がありません。採用と育成に力を入れたのに、戦力としてこれから活躍する従業員が離職してしまうのは避けたいところです。最近では、特に人材の流動化が加速しているため、長期的に活躍している人材を企業は求めています。
そこで必要なのがオンボーディングです。
オンボーディングという言葉を聞いたことがあっても、詳しく理解していないという担当者も少なくありません。
そんな担当者に向けて今回は、オンボーディングの目的やメリット・実際の事例についても紹介します。
目次
オンボーディングとは
オンボーディングとは、新入社員に対して実施する育成プログラムのことです。
海外では、船や飛行機などに乗っていることを「on-board」と表現しており、「新たに乗船した乗組員を早く現場に慣れさせる」という意味があり、人事用語としても使われるようになりました。
オンボーディングは新入社員だけではなく、中途で入社した社員にも適用されます。最近は人材の流動化が加速しているということもあり、オンボーディングを取り入れる企業が増えてきました。
オンボーディングを実施する目的
オンボーディングを実施する目的は以下の2つです。
・即戦力となる人材の確保
・離職率の低下
1つずつ紹介します。
即戦力となる人材の確保
企業の多くは人材不足に悩まされています。新たな社員が入社しても一から教育を行う必要があるので、リソースが割かれてしまい、更なる人材不足を招いてしまうでしょう。
オンボーディングでは、少しでも早く現場に慣れるためのカリキュラムが構築されています。そのため、即戦力となる人材が確保可能です。
離職率の低下
一から教育したのにも関わらず、すぐに離職されてしまっては、企業としても膨大な人件費がかかってしまいます。転職するのが当たり前となってきているので、企業はなんとしても阻止したいはずです。
オンボーディングでは、新入社員に目標を与えてモチベーションを向上させたり、面談などの機会を設けて仕事への悩みを解決したりする目的があります。
その結果、離職率を低下させることにもつながるのです。
オンボーディングの実施によるメリット
オンボーディングを実施によるメリットは以下の3つです。
・従業員満足度の向上
・コストの削減
・人材育成の強化
順番に解説します。
従業員満足度の向上
働いている人の多くは、仕事に対するやりがいや職場環境・人間関係などを重視しています。オンボーディングを実施することによってコミュニケーションの機会が設けられるため、従業員満足度が向上し、仕事へのモチベーションも高まるのです。
コストの削減
新たな人材を採用するためにはコストがかかってしまうので、企業は長期的に活躍できる人材を欲しています。オンボーディングを実施することで離職率が下がり、コストの削減につながるのです。
人材育成の強化
オンボーディングを実施するにあたって、これまで以上に社員の成長を考えた人材育成方法を考えなければいけません。これまでの新人研修以外の新たな方法を導入することで、さらなる人材育成の強化に期待できます。
オンボーディングの実施方法
オンボーディングの実践方法は以下の5ステップです。
・目的の設定
・環境の構築
・スケジュールの設定
・実施
・振り返り
1つずつ紹介します。
1.目的の設定
オンボーディングを実施することで新入社員にどうなってほしいのか、目的を設定しましょう。
例えば、長期的に活躍できる人材を求めているのであれば、上司や同僚などと信頼関係を構築できるように飲み会やランチの機会を設けて、積極的にコミュニケーションが図れるようにします。
企業によって新入社員に求めることが違うので、自分たちに合った目的の設定が重要です。
2.環境の構築
どのような環境でオンボーディングを行うのか、決めなければいけません。
対面で実施する場合には問題ありませんが、リモートワークでオンボーディングを実施する企業もあります。環境が構築されていないと効果的なオンボーディングができないので、必要に応じてツールの導入も検討しましょう。
3.スケジュールの設定
いつまでオンボーディングを実施するのか、スケジュールを設定しましょう。
オンボーディングは1日や1週間などの短期的な場合もあれば、3ヶ月や半年などの長期的ケースもあります。期間が長ければ効果があるというわけでもないので、目的に合わせたスケジュール管理が重要です。
また、オンボーディングは担当者だけではなく、他の社員の協力が必要です。そのため、スケジュールを設定したらオンボーディングに関わる全ての社員に共有しましょう。
4.実施
目的の設定や環境構築を行います。スケジュールを決めたら早速実施していきましょう。
5.振り返り
オンボーディング期間を終えたら、振り返りが大事になります。実施した担当者の意見はもちろん、対象となった新入社員にも良かった点や気になった点などを聞いてみるのがおすすめです。
オンボーディングは、最初から成功するわけではありません。何度も繰り返し実施して、より効果的なオンボーディングに仕上げていきましょう。
オンボーディングの事例や施策
オンボーディングの事例や施策を2つの企業を基に紹介します。
・株式会社メルカリ
・GMOペパボ株式会社
株式会社メルカリ
「メルカリ」アプリで有名な株式会社メルカリでは、新入社員が「何をすればいいのかわからない」という問題を解決するために、新入社員に向けた情報を1つのポータルサイトにまとめています。
「入社日〜3日以内」や「1週間以内」など、やるべきことが明確化されているので、モチベーションが向上し、戦力としての活躍を見込む従業員の離職率の低下に成功しています。
GMOペパボ株式会社
ハンドメイドマーケットの「minne」やヘテムルサーバー・ロリポップサーバーなどを提供しているGMOペパボ株式会社では、これまでもオンボーディングは実施してきましたが、部署別でした。そのため、帰属意識が低いという課題があったみたいです。
そこで、全社共通に切り替えて誰でも気軽に交流できるチャットルームや自分の意見を主張できる「やっていきシート」などを設定した結果、社員同士の交流が盛んになり、今まで以上に組織への帰属意識が芽生えるようになりました。
オンボーディングを成功させるポイント
オンボーディングを成功させるポイントは以下の3つです。
・準備を怠らない
・メンター制度の導入
・定期的なフォローを忘れない
準備を怠らない
オンボーディングを実施するうえで、目的を決めたり環境を構築したりするなどの準備が必要です。
準備が整っていない状態で実施した結果、何かしらのトラブルや問題が発生した場合の対処が難しくなります。特にテレワークによるオンボーディングの場合は、通信環境トラブルが発生するケースが多いので、準備を怠らないようにしましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▶「テレワークでの新入社員のオンボーディング成功させるポイントや施策・事例とは」
メンター制度の導入
オンボーディングでは、メンター制度の導入も検討しましょう。
メンター制度とは、歳や社歴が近い先輩社員が新入社員をサポートする制度です。仕事やプライベートのことなども相談できるので、新入社員の不安を取り除くことができます。
特に中途社員の場合は、新卒社員と比べて同期が少なかったり即戦力として期待されたりするので、職場で孤立するケースも珍しくありません。メンター制度を導入することで、新入社員のメンタルケアにもなります。
定期的なフォローを忘れない
新入社員は仕事だけでなく、自社のルールや文化など覚えることがたくさんあるので、キャパオーバーになってしまい、体調を崩してしまう社員も少なくありません。
そのため、オンボーディングでは困っていることや相談したいことなどを気軽に話せる機会を設けましょう。話を聞く上司や担当者は、なるべく聞き手側となって親身な対応が重要です。
まとめ
今回は、オンボーディングの目的やメリット・実際の事例について紹介しました。
オンボーディングは即戦力となる人材の確保や離職率の低下にもつながるので、人材不足の企業にとっては必須と言えます。本記事を参考にオンボーディングを実施していない企業は検討してみましょう。
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